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伏見 康生
大川 洋明

体内採卵成績向上のためにできることは?⑤

執筆者の写真: Hiroaki OkawaHiroaki Okawa

前回と同様に飼料変更による成績向上の取り組みです。


今回は別のパターンです。


現在も呼んでいただいている生産者さんですが、初めて声掛けいただいたときに「未受精が多い」という相談を受けました。

初っ端からそんな話をされるとそのまま採卵プログラムに走るのも恐ろしい気がしましたので、ドナーの栄養状態の評価のために血液検査と給与飼料の聞き取りを行いました。




この時点で若干配合多くないか…という気がしていました。

そして牛のBCS(ボディコンディションスコア)もばらついている。

自給粗飼料は素人目に見て問題無さそうな印象でした。



採卵予定のドナー以外も含めて5頭の血液を採取し、検査しました。


BUN高く、相対的に血糖値が低い状況でBG比も高くなっています。

配合を減らすことで過剰なアンモニアのルーメン内生成を抑えたいですが、配合を減らし過ぎると今度はタンパクが不足することになります。

大切なのは蛋白とエネルギーのバランスなので、配合を少し減らし、エネルギーとして育成に与えているオーツ(糖が多い)を給与してもらうことにしました。


ご本人も初めての取り組みで半信半疑のようでしたが…




結果はなんとか本人も納得の結果に…

2頭目が少し残念でしたが、回収数のうちの正常卵の平均は67%となり、血液検査でも給与飼料の変更が狙った通りに反映されていました。


一方で採卵に向けた飼料給与を継続するとエネルギーが多めなので過肥気味になるなどの悪影響も懸念されますので注意が必要です。

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