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伏見 康生
大川 洋明

牛の子宮内膜炎について 分類と罹患率

執筆者の写真: Hiroaki OkawaHiroaki Okawa

現在、帯広畜産大学に在籍している後藤聡先生と仕事しているときに、「繁殖、繁殖、繁殖」と叩き込まれました。

というわけで臨床繁殖の第一歩に私が選んだテーマは「子宮内膜炎」でした。

私を育ててくれた4件の農家さんで繁殖検診をしながらデータをとりました。

個体番号を記録し、VMS(VDSと同義です、すいません、腟粘液の汚れのスコアです)を記録し、来月に再検査をして治療して…

だまって継続です。

そして約2年後に答え合わせをしました。


















256頭のフレッシュチェックにおいて、3割近いウシが臨床性子宮内膜炎と診断されていました。

そして私はこれらに対して、PGF2αの治療を実施しました。

治療戦略です。


















国内外において、VMS1、つまり粘液性状として、スリガラス状、透明粘液に白色片を含む程度の粘液は繁殖性に影響しない、とされてきました。

私もそのエビデンスに基づき、治療を実施せずに繁殖成績を追跡しました。


以下結果です。


















NTR群=軽度の子宮内膜炎で無処置であった牛群で繁殖性が低下していることが分かりました。

生存分析により視覚的にどのくらい繁殖遅延がみられるかみてみましょう。


















空胎牛の減少割合が遅れていることが一目瞭然に分かりました。

つまり、「粘液は少し汚れているけれど、子宮形状にも異常がないし、卵巣も通常、子宮回復の途上である」と診断した個体を無処置で放置し、その群の予後を統計的に観察すると、有意に繁殖性が低下していることが分かりました。

そして、子宮内膜炎と診断をしてPGF2αを投与した治療個体の繁殖成績は、健常個体を変わらない繁殖成績という結果となりました。

私個人の診断というバイアスはそれなりにあるものの、一定の診断基準に基づく子宮内膜炎の診断は繁殖性向上に寄与することが分かりました。また、軽度と診断し無処置とした牛の繁殖が遅延するという結果を得ることで、より強度のある、的確な診断・治療が重要であることを再認識しました。


次は子宮内膜炎のリスク因子について考えていきます。

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