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伏見 康生
大川 洋明

牛の子宮内膜炎について 実践編

これまでに子宮内膜炎における調査結果や、イソジンなどの治療効果について考えてきました。

私自身が確認してきた子宮内膜炎の罹患率や、治療の効果を考えると私は一つの仮説を立てました。

乳牛において約20%は子宮内膜炎により繁殖性を阻害されている、ということは、治療効果90%の治療を実施し、受胎率40%を達成すれば、10%近い牛の繁殖性を取り戻せる

かもしれない…

ということで、戦略的に繁殖検診を実施しました。

子宮内膜炎に罹患している割合がかなり高かった酪農家さんでの繁殖検診の取り組みです。

2018年12月時点の繁殖成績

搾乳頭数 33.8頭

搾乳牛率 88%

搾乳日数 234日

経産JMR 29

空胎日数 209日

空胎145日以上割合 65%

かなり個体乳量の大きな農家さんでした。

乾乳管理の問題点も抱えていましたが、そこはまた次の機会に…

授精開始日数は107日

かなり遅く感じるかもしれませんが、これはそれぞれの獣医師、授精師の問題への捉え方ですので、とくに私はコメントなしです。

初回AIは牛に任せる、または80日を超えて未AI個体への治療をしかけるスタンスでした。

私はこの初回AIのタイミングで定時処置+イソジン投薬のプログラムを繁殖改善の戦略として実施しました。

もちろん、フレッシュチェック(分娩28日めど)で早期に内膜炎は摘発し、治療も並行しています。

やったことはシンプルです。

子宮内膜炎を完全除外して(治療して)、定時処置で攻め込んでいく。


検診により積極的に子宮内膜炎治療と定時処置を実施した結果、繁殖成績は明瞭に改善しました。

表2でも分かるように、定時処置を開始する日数は1か月近く早くなりました。

それまでは初回AIをゆっくり待って、空胎牛に対して治療をしていました。

しかし、これらの2割(いやそれ以上)近くは子宮内膜炎により繁殖性を阻害されているのではないか、と考え子宮投薬を実施するようにしました。

実際に受胎率は20%近く改善し、AI回数も減りました。つまり

初回AI前に子宮内膜炎治療をすることで、リピートのAI、ETに対しても良い効果が生まれているということです。

なかなかここまできれいに戦略がハマることも少ないのですが、子宮内膜炎が問題になっている農場で、分娩後100日前後には乳牛がNEBから回復して上向きになっている牛群では確実に効果がある戦略であるといえると考えます。

とは言え、乳牛がNEBから回復して上向きになっている牛をより早く作ることが何より肝要であり、繁殖性、生産性向上のカギとも言えます。

壮大なテーマでもあるのですが、そこにも少しずつここで言及していきたいと思います。

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