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伏見 康生
大川 洋明

牛の子宮内膜炎について 抗生剤

執筆者の写真: Hiroaki OkawaHiroaki Okawa

今回は子宮内膜炎の抗生剤の適応についてです。

一般的に日本国内で牛の子宮内膜炎における子宮投薬というものは

「2%イソジン液」

であると思います。

海外ではセファピリンが広く使用されています。

乳休薬はゼロ

日本ではペニシリンストレプトマイシンの合剤がありますが、乳休薬は24時間あり、その制約により広く利用されることが少ないのではないかと私は感じています。

では抗生剤の子宮内投与はどれほどの効果があるのでしょうか?



最近新しい論文をフォローしていませんが(汗)、私がこれらの資料をまとめたり、自身の研究論文を書いているときの海外の子宮内膜炎治療の論調では(2019年あたり)

「黄体形成のない個体に対する治療選択として、PGではなくセファピリンを選択する」

というものでした。

また、卵巣所見をとらずに大量の牛の治療を仕掛けるとき、抗生剤の方がパフォーマンスが高い、という文言も目にしました。

私も一時期、子宮内膜炎治療に抗生剤を使っていました。

私の考える適応は

①難産、双子、グレード3子宮炎などの既往歴があり、子宮内膜炎に罹患している

②複数回の子宮内膜炎治療にも治癒しない

③子宮蓄膿症の既往歴(子宮形状は回復)

などです。

私のいま述べている適応とは、「分娩後3週以降」の個体に対する考え方です。

産褥期においてはまた別の適応を考えて実行します(後程…)

私自身は子宮内膜炎に対して抗生剤がマストアイテムかというと、そうではないと感じています。

次回はイソジン液の子宮内膜炎治療効果について紹介したいと思います。

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